序章

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まだ残暑のせいで熱い・・・ 俺、「西川優」、は再び学校に登校している。 すっかり静かになってしまった学校・・・ あの戦争さえ無ければ今頃卒業して大学に行っていた。 階段を登って行き、見慣れた教室にたどり着いた。 そっとドアを開ける。 西川「おはよう!」 元気に挨拶をした。 ガラガラの教室に俺の声が響く。 青井「優、おはよう。」 こいつは「青井愛」、俺の彼女であり、この学年唯一の女子だ。 佐藤「よう西川!久々だな~!」 こいつは佐藤茂弘、見た目はチャラチャラしてるけどなかなかいい奴。戦争で両足を無くしている。 他にもみんなが俺に返事をしたが全員では無かった・・・ いや、正確には全員居ない。 戦地で散った奴、今も入院している奴が居る。 40人の教室には17人しかいない・・・その内の15人の席には花瓶が置かれていた・・・ 西川「あんなに賑やかな教室だったのにな・・・」 青井「なんだか今でも信じられないよ・・・」 佐藤「これが・・・現実か・・・」
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