主人にあまり心配をかけない

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紫苑が人間の姿になって一週間を迎える 生活は姿が変わっただけで今までと変わっていないけれど…         「…;;」   「スー…」         寝るのは何故だか一緒がいいらしい 私の隣で丸くなって眠っている         「…よっと」         紫苑を跨いでベットから降り、朝食を作る     ふ、と作っていて疑問に思う   紫苑って一応猫だよね? 人間の食べ物って大丈夫なのかな…?         「…」   「なに、固まってるの?」   「うわぁ!?」         急に声がしたと思えば紫苑がうしろから抱きついてくる         「…紫苑、抱きついてこないで」   「え~…」   「え~、て何;;?ご飯作れないから言ってるの」   「はぁい」         少し渋ったがすぐに紫苑は私から離れ、ソファに座った         「はい、出来たよ」   「いただきます☆」         昨日と同じように礼儀正しく手を合わせてそう言ってから食べ始める紫苑   私はそんな紫苑を見ながら仕事へ行く準備をする         「…どこか行くの?」         箸をくわえて私の方に顔を向ける         「仕事行ってくるの」   「俺一人?」         仕事へ行くと言ったら耳を寝かせてシュンとする         「仕方ないでしょ?」   「ん~…」   「いい子で待ってて?今日は早く帰ってこれるから…ね?」         頭を撫でると紫苑はゆっくり頷く    何だか、小さい子を宥めてるみたいな気分   私は手早く支度を済ませ玄関へ         「よし、それじゃ行ってきます☆」   「いってらしゃ~い☆」         紫苑に見送られ私は仕事場へ向かう     .
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