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「~♪」
「…」
紫苑は家に帰ってくるなり買った物を袋から出して、ラベルを剥がしたり、服のタグを切ってタンスに直していく。
私は私で、パソコンにむかって仕事をしている
「…終わったー☆」
全部片付けた紫苑はぐっと伸びを一つして、ごろんとソファに横になる
「…何笑ってんの?」
それを笑ってみていたら
こちらに気付いた紫苑がソファから降りて近づいてくる
「別に~?」
カタカタとキーボードを叩きまた作業をし始めた…
……が…
「それよりお腹減った~」
何か作って、と私の背中にのしかかってくる
「え?もうそんな時間?」
時計に目をやれば七時十四分
仕事にのめり込み過ぎて時間を忘れていた
「じゃ、ご飯にしよっか」
「うん☆」
「だったら早く上から退いて~」
「え~…」
のしかかる紫苑を剥がしキッチンに立つ
「何が食べたい?」
「何でもいいよ~」
夕飯を作っていてある事を思い出した
「ねぇ、紫苑?」
「ん~?」
名前を呼ぶとキッチンの近くまで来る
「猫なのに何でも食べていいの?」
そう聞いて少し経った後紫苑が笑いだした
「え、私変な事言った?」
笑いごとじゃないと思うけどな、と考えていると
「ごめんごめん、そういえば言ってなかったよね」
今まで笑っていた紫苑はそう言ってこう続けた
「俺、猫だけど猫じゃないもん」
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