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「さぁ、どんどん行くよー!」
潤が楽しそうに言った。
「太朗、終わったらちょっと家来てくれる?」
亮が傍らでベースを構える太朗に言った。
「あ、はい。構いませんよ」
「ありがと、次は暴れるからちゃんと付いてきてよ」
小さく亮が微笑んだ。
「じゃあ次は、“Dragon Fly”!えー……善!ドラゴンフライって何か分かる?」
潤がステージ上から客席の雄也の弟の善に声をかけた。
「トンボ!」
「そう!トンボは空を自由に飛び回る!それに憧れをもった歌!聴いてください!“Dragon Fly―ヘヴィメタバージョン”!」
潤が言うと同時に激しいドラミングが始まった。バスドラムを高速で叩きまくり、ベースやギターもそれに合わせてダークな曲調を作っていく。そこへ潤の絶叫の如くシャウトが入った。いつもとは全く違う潤の声は完全なデスボイスだ。
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