Go Ahead

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ライブ会場は小さなライブハウスだった。 この日だけは貸し切りでそれぞれのメンバーの家族や、友人だけしかいなかった。 「皆、今からライブするよ!」 潤が笑顔で言った。最前列にいた潤の息子である利弥と娘の理沙がはしゃいでいる。 「トシ、リサ、パパのこと見てるんだよ!」 和気あいあいといった潤のペースだ。 「ねぇ雄ちゃんのお嫁さんはいないの?」 亮がドラムセットの調子を確かめながら尋ねた。 「ジェーンは来てねぇ。だけど、あそこのガキは俺のガキだ」 ライブハウスの隅の方でじっと見入っている少年がいた。金髪で雄也に似た黒い瞳だ。 「へぇー……雄ちゃんと違って可愛いねぇ」 「うるせぇ」 雄也はチューニングを済ませてギターを軽く弾いた。 「俺はオーケーだ」 「あーっ!」 と、声を上げたのは太朗だった。客席の女性を指差している。
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