白鳳雄也

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3日目、京都。 いつもの様にホテルで亮が目覚めた。 「………ふぁ~あぁ……」 大きな欠伸をして時計を見ると7時を回った頃だった。 「雄ちゃん、朝だよ」 目を擦りながら雄也を揺さぶる。 「ん……分かった……」 寝返りをうち、雄也が生返事をする。 「さてと……」 立ち上がって亮はカーテンを開けた。朝日が差し込む。 「たっちゃん、帰るから起きな。ネルちゃんも」 子供達の布団を矧がして亮が言うが、辰也は無反応のまま寝入っている。 ネルはちゃんと体を起こすが、ぼーっとしている。 「皆、朝には弱いねぇ……」 苦笑いしつつ亮は雄也のギターケースを持ってきて雄也の布団のすぐ側に置く。 「雄ちゃん、ギター弾いて」 むくり、と雄也が体を起こしてギターへ手を伸ばす。眠そうな瞳で、でもしっかりギターのチューニングをしピックを取り出して弾き始めた。 「………つか、何で朝からギター……」 少し弾いた所で雄也が呟いた。しかしギターは弾き続けている。弾いているのはBorderLessの楽曲だ。 「おはよ、雄ちゃん」 「………ふざけた名前で呼ぶな」
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