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「――あっという間……」
帰りの新幹線で辰也が呟いた。
「楽しい事はどうしてもねぇ」
隣に座る亮が答えて辰也の頭を撫でる。
「たっちゃんも、楽しい時は意識してないと無意味になっちゃうからね」
「たっちゃんゆーな」
少し怒った口調で辰也が亮の手を払いのける。
「たっちゃんが結婚する時までたっちゃんて呼ぶから」
楽しげな亮の口調に辰也は唇を尖らせる。
「………意地悪」
「まだパパは若いからいつまでも待つからね」
「先の事ばっか言わないでよ」
「まぁまぁ、パパの楽しみを奪わないでよ」
そんな会話をする親子の後ろには雄也とネルがいた。
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