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「どしたの?太朗」
亮がベースを落としそうになった太朗に尋ねる。
「姉ちゃんが……何でいるの?」
「あ、俺が招待しといたよー」
潤の楽しげな声。
「あの人に音楽……ロックなんて分からないのに」
やけに落ち込む太朗に亮は声をかける。
「大丈夫、一生懸命やれば伝わるから」
「それなら……いいですけど」
ため息をつく太朗に亮は苦笑いした。
「おう、亮」
宗司に呼ばれて亮が振り向いた。
「お前の嫁と子供来てるぞ」
「ホント?」
亮が見渡すと、確かにいた。
「たっちゃーん、ゆみー、パパ頑張るよー」
スティックを振りながら亮が言った。
「たっちゃんてゆーな!」
だが、亮の息子、辰也はそう言ってそっぽを向いてしまった。
「太朗、聞いた?反抗的だよ……」
「先輩にもちょっと問題あるんじゃ……?」
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