八神辰也

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「僕も、そこはいいと思うけど、もっといい所がたった1つだけあります」 その言葉に亮が不思議そうな顔をする。 「それは何だかんだでやっぱり優しい所です。記憶にある限りだとお父さんに怒られた事はないし、困ってる事があったら何故かあっさり当てて解決してくれます」 言って、辰也がイスに座った。 「はい、ありがとう。 えっと……そんな個性的な辰也のお父さん。何かありますか?」 太朗が亮に話を振った。 「そうだねぇ。今夜のおかずは豪華になるかなぁってだけかな」 亮の言葉に教室から静かな笑いが上がる。 「そ、そうですか」 苦笑いして太朗が返事をすると亮はそっと教室を出て行った。
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