必殺!火事場力!

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 塔の頂上は、天井がない広場になっている。正確には天井がなくなっている。一見すると、ただの屋上だが所々壁らしき物が生き残っている。  その屋上からは黒い雲が渦巻いているのがよく分かる。  その渦巻く雲の間からは白く眩しく長いものが塔を目指して飛ん出来ている。  屋上の中央に舞い降りてきた白い生き物の名はミラルーツ。別の呼び方で祖龍。  祖龍と呼ばれるそれは蛇のような長く白い身体を持つ、両手両足になる四本の腕を持ちながらも白い翼も備えていた。その頭には角がついている。目は凶悪な程に朱かった。オマケに白くうっすらと発光していた。  蒼の鎧は弓を引く、グググッっと音をたて祖龍に狙いを定める。 そして顔面めがけて矢を放つ。  これが彼らハンターの仕事だ。村や町に危害を及ぼす可能性のある生き物を排除するために雇われる。  深紅の鎧は爆弾を使い自分を追い詰めていく。  火事場力、体力が追い込まれた時自分の潜在能力を最大限に引き出し、力が増し打たれ強くなる。 それがこの鎧に秘められた能力だった。  深紅の鎧の戦略はこうだ。祖龍は強い。離れつつも攻撃力の高いヘビィボウガンを選び、パワーバレル、火事場力でとことん攻撃力上げる。  しかしこの屋上は隠れる所が無い。この作戦はとても危険が伴う。体力の少ないまま祖龍の周りをうろうろしなければならないからだ。 半端な技術ですることが出来る技では無いのだ。  そして深紅の鎧がボウガンの弾を装填する。
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