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「ほら、涙ふけよ」
そういい、相沢先生は私の頭を撫でながら自分の洋服の袖で私の涙をふいた。
「まだ……はな……れ、ばなれ」
(また。離れ離れ)
私の涙は止まらなかった。
先生の為に頑張るって決めても、嫌だった……離れる事は。
沖縄なんて。
先生の顔も姿も見れないんだよ……。
遠くからでもいいから、私は見ていたいのに。
「まったく」
相沢先生は私の頭をポンと叩くと、私を抱き締めた。腕の中にすっぽり収まった私は、胸を借りて泣いたんだ。
「うぅ……っ」
「だから、俺にしとけばよかったのに」
そうポツリと言う、相沢先生の言葉を、今は気にしている余裕なんてなかった。
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