キスして

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「え、香苗……」 「お願いだから…ね?」 「…うん。」 ここにきて香苗から待ったがでた。 どうしよう、我に返って「あたしはゆずちゃんきらーい。」とか言われたら… 有り得ないことじゃないよな。 嫌いはなくても、女の子同士だし、恋人とかおかしいもんなぁ… 玉砕してもいいって思ってたけど、でもちょっと、かなり寂しい。 あぁ、でもさっきまでの先の見えない不安より、今の落とし穴直前の不安のがマシかなー…ってどっちも嫌だってば! 「柚希ちゃん、ぼーっとしてたら狙われるよ?」 「んー…」 運動してたら、忘れられるかな? 結果として言えば、私は試合の行方を知らない。 香苗が内野に戻ってきて、流れで狙ってみたらなぜか香苗がふらついて、香苗の頭にボールがぶつかった、と。 触ったらおでこも熱いし、がんがん日差しきつい中でやってたから、香苗は大丈夫っていうけど保健室に連れてった。 保健室の先生に事情を説明して、ぶつけたとこを冷やしつつ体温測ったら微熱、とのこと。 「たぶん熱中症ね。それに寝不足なんじゃない?少し休んだらすぐによくなるわ。」 先生は笑いながらそう言った。
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