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そのまま先生の指示で、荷物とか着替えをとりに行く。
荷物を持って保健室に帰って、寝てしまった香苗を見てやっと一息。
…よかったぁ、本当によかった……
私が香苗を傷つけて、もし大変なことになったらどうしようって…
香苗の穏やかな寝顔を見て、やっと安心できた。
落ち着いた空気の流れる保健室に、電話の音が響く
「はい…はい、わかりました。…はい、失礼します。」
電話を置いた先生はふぅ、とため息をひとつ。
「片辺さん、私ちょっと出なきゃいけないから古田さんについててくれる?」
「え?」
予想外の展開に、思わず目を丸くする。
「たぶん、1時間ぐらいで戻るから。いいかな?」
「大丈夫です。」
「よかった、お願いね。もし起きたらそこのプリントに必要事項を記入してもらえる?そうしたら帰ってくれてかまわないわ。」
「はい。」
じゃあよろしく、と慌てた様子で部屋を出て行く先生。
取り残される私たち2人。
香苗は寝ちゃっててすることもないし、どうしようかな。
とりあえず、数学の宿題でもやるか。
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