キスして

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一通り宿題に目を通して、机から顔を上げる。 15分か…思ったほど持たなかったなぁ。 ま、プリント1枚だしほとんど出来てないし当然なんだけど。 香苗の様子は…まだ寝てる。 よく寝るなー、めっちゃ気持ちよさそう。 ちょっとほっぺたをつついてみる。 「ん…」 あ、もぞもぞしだした。 「だれ…?」 目をごしごし擦りながらあどけない声で聞いてくる。 「誰だと思う?」 自分で名乗るのも恥ずかしいし、聞いてみた。 「…ゆずちゃん?」 「当たり。痛いとことかない?」 まだ覚醒しきってないのか、もにょもにょ言いながら伸びをする香苗。 「うー…大丈夫じゃない。」 「え?」 「おはようのちゅーは?」 は? 「ちゅー…」 ちゅー、じゃないよ。 返せ。私の焦りを返せ。 ってかさっきまでのシリアスな展開は? 「ゆずちゃん…?」 …望まれてるなら、いいんだけど。 やっと目を開けた香苗がこっちを向くのを感じて、求められるままに唇を重ねる。 半開きの唇に誘われるように舌を差し込み、雑誌なんかで得た知識を総動員して、香苗の舌を絡め捕る。 されるがままに翻弄される舌を吸って、やっと意識がはっきりしたのか香苗に押しのけられた。 何でもない顔するのはこないだまでので慣れたし、あえて普通に声をかけてみる。
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