-僕の女神様-

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あれから1ヶ月。 俺は誰からも話しかけられることもなく、ポツンと学校生活を送っている。 いじめられてるわけではないけど、陰では色々言われているだろう。 空気みたいな存在な俺は、友達もいないこの土地で、唯一たまたま見つけたこの場所が、一番の楽しみになっていた。 フッ と誰かの気配がした。 俺はバッと振り向くと、誰もいなかった。 「気のせいか…。」 俺は呟くと、なんだか居心地が悪くなり、帰ることにした。 俺は一人っ子だから、家には話し相手が父と母しかいない。 父は毎晩遅いし、思春期の俺には、母親の存在が鬱陶しくて、シンプルな会話しか交わさない。 どこにいても、つまらない時間を過ごすだけだった。
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