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次の日になっても、またつまらない日常生活がはじまる。
俺は教室の窓際の席で良かったと、心底喜んでいた。
下手に上下左右にクラスメイトがいると、具合が悪くなりそうだ。
俺から誰かに話しかければいいのだが、今更…と思うとなかなかできなかった。
休み時間はお決まりの図書室で過ごし、お昼は屋上で食べる。
まさか、自分がこんな隠キャラ君になるとは…。
東京の友達を連れてきて、ギャハハと笑い話をしているのを見せ付けてやりたい、なんて思うことも度々あった。
終礼が終わると、俺は真っ先に教室を出て、あの場所へ向かった。
オッサンが仕事に行き詰まって、外に休憩に出る時の気持ちが、なんとなくわかる気がする。
少し違うけど。
俺は、いつもの階段をかけあがると、何かがあるのに気付いた。
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