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俺は走った。
放課後にこんなに走るのは初めてだ。
息を切らして階段の前に着くと、深呼吸をして階段を登った。
封筒が…あった。
-昨日俺が書いたやつだったらどうしよう…。-
俺は急いで封筒を開けた。
ノリ付が甘かったので、俺はやっぱり昨日のまんまだと悟った。
しかし、そこには返事の手紙があった。
俺は、綺麗な文字が並んでいるのを見て舞い上がった。
『返事ありがとう。まさか、本当にくれるとは思わなくて、私も今日はノートの切れ端です。
学校は楽しいですか?
いつも、つまらなそうな顔してるから、気になりました。
この手紙を書いて、貴方の姿をわざと見ない様にしています。
恥ずかしいので…ごめんなさい。
また、返事をください。
ちなみに、私は女だと言うことだけ伝えます。
お返事ありがとうございます。
』
俺は、ドキンとした。
学校のことか…書けやしない。この人は、一体何がしたいのだろう?
しかし、とても興味があったし、彼女のことも知りたい。
俺は直ぐに返事を書いた。
『俺も…返事びっくりしました。
学校は…転校してきたばかりなのでまだ馴染めません。
知り合いも友達もいなくて、ここが唯一俺の好きな場所です。
だから、いつかお会いできたら嬉しいです。』
俺は、正直に書いた。
何故かわからないけれど、俺は彼女にどうしても会いたくなってしまったからだろう。
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