0人が本棚に入れています
本棚に追加
「は?…はい?」
僕は唖然とした
「いったい何のために?」って顔してるな
青年は、また不敵な微笑みを浮かべた
「だって……心当たりが……」
でもすぐに思い返して、はっとした
「ま…さか……」
「多分お前の今思ってる事で正解だ。おい、一応説明してやれ」
フリフリの少女が何やら紙芝居のようなものを取り出した
「さてさて!!愛しの彼女にフラれちゃった、ともくんのお話ー!!」
少女はパチパチパチィと口で効果音を言うと次々にめくりながら話し始めた
フラれた少年、逃げる少年、ふて寝する少年、2人組に会う少年……
と、めくられると、暫くしてからそれがついさっきまでの自分であると確信した
「ここからが山場だよ!!」
少女は次の場面を開いた
「これから24時間だけ、ともくんはフラれた事をなかった事にしてあげる」
僕は固まった
「つまり……どういう事だよ」
少女は肩をすくめた
「はぁ……案外ともくんってニブいんだね」
その言葉に僕はムッとした
「つまりだ……」
青年が壁を叩いた
「24時間だけフラれたことをなかったことにしてやるよ。だからその24時間のあいだにお前らの仲がなおればセーフ、出来なきゃアウトだ」
僕はようやく意味を理解した
最初のコメントを投稿しよう!