はじまりはじまり

4/5
前へ
/9ページ
次へ
マコトの手には、錆び付いた剣が握られていた。 「あっ!すいません、直ぐ戻しますから」 マコトは、少し焦りながら剣の元あった場所に戻そうとしているが、その元あった場所が自分でも分からない様子だ。 「いつもそうだよね、人のもん勝手に、」 「うるさいなぁ」 老人が手の平を上に向けてマコトに差し出して、マコトは、その手に持っていた剣を老人に渡した。 「ポーグマホーン。」 「え?」 「この剣の名前です。」 「へぇ~、その剣に名前があるんですか?」 マコトが老人に相槌をうっていると、 「さみしくないの?」 と、マナミは、話しの間に割って入った。 「コラ!マナミ!」 「だって、テレビもない、こんなに広い家に一人っきりで!」 「おい、…あっ!わかった。別荘だ。作家さんか何かでここに一時期滞在してるんだ!…でしょ?…でしょって言っちゃった💦」 老人は、複雑な表情で言い始めた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加