登校

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  「おっはよ~!!」 元気な声と共に、ショートカットのさらさらの髪をなびかせて、オレの意中の人・朝霧アキが教室の中に入って来た。 思わず目を惹きつけて止まない快活な雰囲気も、くるくるとよく変わる表情も、いつものままだ。 「あれっ?宮沢、今日は早いじゃん!」 朝霧は驚いたように話し掛けてきた。 「あ?…あぁ、今日は早く起きたから」 心臓のうるさい程の鼓動が朝霧にバレないように祈りながら、オレは朝霧に応えた。 「へぇ~っ、めっずらしー!!」 朝霧はイタズラっぽく目を細めて言った。 くそぅ、可愛すぎるぞ朝霧…っ!! 「ってか、二人仲良いよね!いっつも一緒にいるし」 朝霧はタカシとオレを交互に見遣っている。 「そうそう、俺たち深ぁ~い仲だから☆」 タカシが軽口を叩いてオレと肩を組む。 「やめろ、キモい」 オレはというと、にべもなくタカシの腕を払いのけた。 「うわっ、今日のアサト君、冷たぁ~い!」 なよっとしてタカシが口に両手を当てて泣く振りをした。 「あっはは!キミタチ相変わらず面白いねぇ」 当の朝霧は腹を抱えて爆笑している。 「アキー」 「おー、ユウコー! あ、んじゃまた後でね」 別の方から朝霧を呼ぶ声がして、朝霧は自分の席に戻ってしまった。 朝霧は友達と楽しげに話しながら机に着席している。 そして手に持っていた半透明な紙袋を机の横に掛けた。 オレの席から丁度その紙袋が目に入るので、当然中をチェックする。 言わずもがな、そこには大量の友チョコが入っていた。 しかし、その中に、明らかに他のモノとは違う青色の包みが入っていた。 再び胸が高鳴り出す。 おそらくあれが本命チョコだろう。  
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