登校

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この一週間、オレは興奮と不安でろくに睡眠をとってなかった。 寝ても覚めても考える事は一つ。 つまりは今日、この年に一回の恋愛の祭典・バレンタインデーの事だ。 たとえ男子であるならば当然気になるバレンタインデーでも、意中の相手がいなかったならば、オレもここまで悩まされる事はなかったのだ。 いつもならば、人並みにチョコの動向に目を走らせ、一抹の妬みと共に他人の本命チョコを傍目に義理チョコを頬張っていた事だろう。 しかし、今回は事情が違う。 恋愛感情とは無縁だったオレにようやく好きな人が出来たのだ! そしてこの一週間というもの、出来るだけさり気なく彼女の近辺へと近付いては、バレンタインデーに関する情報に耳をそばだてていた。 それだけに。 気合いも十分に空回りしてしまい、その結果が早めの登校なのである。  
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