登校

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それから、オレは周囲に気付かれないようにちらりと机を見下ろした。 ──目当てのチョコは、残念ながらげた箱にはなかった。 それはもう何回も確かめたので確実だった。 そこにはただ虚ろな闇と履き慣れた上履きがあるだけだった。 ──それだけに。 第2のチョコ存在率が高いのは机の中。 だから、机の中に手を入れるという行為は、オレにとって期待と共に絶大なる不安を感じさせる。 ゆえに、そしてそれがオレの手を躊躇させている要因なのであった。  
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