18歳

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3年前の同じ日のことを和海は思い出していた。 サッカー部の居残りで遅くなり辺りはすでに真っ暗になっていた。 腹ペコで家路についた和海は少し気持ちが踊っていた。 いつもはくたくたで帰る家路もその日は自転車のペダルも軽く感じた。 「ただいま」 いつもは返ってくるはずの「おかえりなさい」の返事がない。 「母さん?いないの?」 和海はダイニングに向かった。 真っ暗なダイニング。 何かあったのかと不安になりながら「母さん…?」と声を絞り出し、電気を付けようとしたその瞬間 パン!パンパン! とクラッカーが弾け、ダイニングがパッと明るくなったかと思うと、毎日でも聞きたい幸せな歌が 「ハッピーバースデートゥーユー、ハッピーバースデートゥーユー、ハッピーバースデーディアかずみー ハッピーバースデートゥーユー おめでとう!」 母さん、父さん、兄さんがサプライズで出迎えてくれたのだった。 4人で囲む食卓も、あったかい母さんの料理も最高だった…。 その時が和海の幸せの絶頂だったかもしれない。
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