18歳

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しかしそれはもう過去の思い出になってしまっていた。 和海は弁当を半分も食べないうちに、蓋を閉めてビニールに戻し、それをゴミ箱に叩きつけるように投げ棄てた。 「母さん…」 机の上にある写真立ての中で微笑む母を見ながら和海は呟いていた。 「母さんに逢いたいよ…。どうして…。どうして……。」 誰もいない静まりかえった暗い家の中で、和海は泣いた。
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