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『このカスが!二度とえらそうな口聞くんじゃねぇぞ!!』
チンピラ二人はげらげら笑いながら去っていった。
ここはS市郊外の廃虚、現在は人っ子一人いない有様だ。
『ってぇ…』
男の名は『乱』、小学生までは音の響きがカッコイイという理由でこの名が好きだった、しかし今はヘドがでるほど嫌いだった。
乱はヨロヨロと起き上がろうとしたが足元がふらつきゴミ貯めへとすっ転んだ。
『はは…何やってんだろ俺…』
鉛色の空を見上げながらつぶやく、元陸上部主将が聞いてあきれる。
ぽつりぽつり降り始めた雨が咳を切ったように土砂降りに変わっていた。
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