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殺意、虚無、悲壮、憎悪、諸々の負の感情が彼の心中をのたうち廻っていた。 何故だか無性に走りたくなった。 気付いた時には走り出していた。 「うあーっ!あーっ!」 不格好な姿で工場外の砂利道を駆け抜ける男が一人、お世辞にも速いとは言い難い。 「はあっ、はあっ」 吐く息が白い、雨粒が顔に当たる。 「気持ちいい…」 素直な気持ちだった、 このままどこまでも行けるような気がした。
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