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「…シオン、これは一体どういう事だ?」
「エルガーさん、工房の者達が協力的では無かったので…」
シオンと呼ばれた女ハンターは後から現れたエルガーというハンターに向き直って事情を説明する。
「やめろ」
その一言でシオンや他のハンター達が直立不動になる。
「婆さん、キドウは来てないんだよな?」
「来とらんよ、ここ1年は見てないねぇ」
婆さんの答えを聞いたエルガーは、納得した様に頷くとシオン達に何やら指示を出していた。
「俺は酒場で情報を集める、夜までには戻ってくれ…」
指示は聞き取れなかったが、最後にエルガーがそう告げるとシオン達はすぐに工房を離れて行った。
「…おい、いるんだろ…出てこいよキドウ」
ドアに背を向けたままでエルガーは俺に声をかける…しっかり気付かれてたか。
「婆さん、今からキドウと暴れるが…工房は必ず直すから…」
暴れる?俺と?
そう思った瞬間、ドアがまっぷたつに裂け、俺の眼前に覇刀が突き付けられた。
「久しぶりだな、キドウ」
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