迷走

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逃走経路の地図を受け取った俺は、エルガーの放った黒い旋風のどさくさに紛れて相棒と共に村を脱出した。   「…が、なんてざっくばらんな地図をよこしたもんかね…」   相棒を走らせながら俺は地図を開いた。   地図には竜撃兵団配置図と銘打たれ、地図の砂漠と密林、そして火山と雪山に『×』が記されていた。   …つまり比較的安全な場所は森丘と、そのさらに奥にある(ここから向かうなら、だが)樹海、後は秘境と言われる塔くらいなものだが…。   「とりあえず樹海に付いてる○を探すか」   そう、この地図にはもうひとつ『〇』の印も記されていた。   それが樹海なんだが…   樹海というのは森よか広いから樹海と呼ばれるんだと思うが、この地図には樹海という名の左端に○が付けられているだけだった。   「蹴散らして逃げた方が早かったんじゃないのか…キドウ?」   相棒の言葉に俺は首を横に振った。   「まぁ、やれば出来たかも知れないが…あの場でエルガーがシオンって言ったか?あの女ハンターを遠ざけてなければどちらにしても不味かったな…」
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