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相棒の待つ場所まで戻った俺は、直ぐに森丘から離れた。
出来れば樹海までは日が落ちる前に辿りつきたかった、という理由もあるが竜撃兵団の団長が単独で森丘に来ていたとは思い難い。
シュレイゼが手を下さなくても他の奴が襲って来ないとは限らないからな。
案の定、脱出前にはいなかったハンター達がモンスターを狩らずに何かを探すかの様にウロウロしていた。
その何かというのは言うまでもなく俺だろうけど…な。
しかしこちらも逃げ道は確保してある。
俺は相棒に、出来る限り足音といななきを小さくして歩くように指示を出す。
慎重に姿を隠し易い場所を選び、何とか出口付近まで来た時に相棒が小さくいなないた。
「キドウ、もうすぐ出口だ…そろそろ走っても大丈夫じゃないかと思うが?」
声を潜めた相棒は、辺りを確認するように見回しながら俺の指示を待った。
ここまで来たら…とは思うが、相手は竜撃兵団だ…となれば慎重になりすぎて悪いという事はないだろう。
逃げ道とされていたこの場所に、ここまで迅速に布陣させる以上は侮ると命取りになりかねないだろうからな。
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