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勇んで隣のエリアへ足を踏み入れた俺を最初に迎えたのは強烈な腐敗臭だった。
「何だぁ…この強烈な香ばしさは…」
涙目になるほど強烈な腐敗臭に耐えながら目を凝らすと、波打ち際で横たわる魚野郎が目に止まった。
臭いの正体はコイツか…
息絶えている魚野郎は所々をヤドカリに食われてしまったのか穴だらけになっていて、白骨化が進んでいる状態だった。
…まてよ。
俺は一体、どれだけ寝ていたっていうんだ?
目の前の死骸は、明らかに今さっき倒したとは思えない程の腐敗ぶりだからな…他のハンターが殺ったのか?
いや、そもそも他のハンターが倒したなら、キャンプで寝ていた俺に気が付かないのはおかしいよな…
致命傷となった部分の傷口は、腐敗していても明らかに大剣による傷だと判別出来る。
それはつまり…あの南無阿弥陀仏斬りの時に相討ちだったという事なのか…?
そうだとしても…やはりおかしい、ギルドの連中は何故迎えに来ないのか?
くそ、深く考える主義じゃ無いんだが…
こうも不可解な状況だと流石の俺も考え込んでしまうぞ…
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