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それはつまり…あいつらから見ると、俺が変異種とやらが擬態した人間…という設定になっているのか。
こっそり工房の中に入り込んだ俺は、飾られている朱槍を手に取るとドア越しに外の状況を確認した。
「この村にキドウというハンターが入ったという目撃情報を入手した…こんな男だ」
ドアを背にしている婆さんが、竜木で出来た銃槍を背負った女ハンターから似顔絵を受け取る、俺は気付かれない様にそれを覗いて見た。
ここから何とか見えたが…ありゃバッチリ俺じゃないかよ。
「ん~最近はこの村にも沢山のハンターが出入りするようになったからねぇ…ちょっと覚えが無いねぇ」
「なるほど…手荒にはしたくないので…ではあなたでは無く、あなたのお弟子さんに聞いてみましょうか」
そう言った女ハンターが手で合図を送ると、後ろに控えていたハンター達が婆さんの弟子を殴り始めた。
「何て事をするんだい!?」
「聞き込みです、事前に少し素直にしておかないと嘘を言われ兼ねませんからね…」
初めて見る凄まじい剣幕で怒る婆さんとは対象的に、冷静な表情で女ハンターは答えていた。
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