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それにしても、一体この図書室はどうなっているのでしょうか。思考を読み取り、欲しい本が自動的に手元に来るようにしているのでしょうか。
勘弁してください。SFじゃないんですよ? 一応。
……そうか、時代はハイテクになってゆくのですね。魔法と科学の融合。美しい。
「……あー、少年。早く返しなさい。これはお願いというより命令だ」
むぅ。別にいいじゃないですか。
「僕にだって読む権利があるんです。エロ漫画やら官能小説やらじゃない限り、読むことについて制限されないのです。絶対に!」
「……重体」
額を押さえるお兄さん。
彼を打ち負かして満足な僕は、落ち着いて本を読みます。
……わりと高名な魔術師ということは本当みたいです。ちょっと残念。
「ほら、早く片付けるんだ」
お兄さんは今度は僕から本を奪い取り、本棚に戻します。
しっかし……幽霊のような状態、ね。
気になった僕はお兄さんに聞いてみることにしました。
「お兄さん、元の身体に戻る方法は知っているんですか?」
「知らん」
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