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今年来たばかりの先生は、たどたどしく本文を解説します。
初々しくて、いいですねぇ。
「……で、そのマジックユーザーは殺人の快楽に溺れたシスターを、えっと……」
そこで授業の終わりを知らせるチャイムが鳴り響きました。
「あ、終わりですね。では、予習を忘れずに……」
どことなく安心したような表情を浮かべた先生は教室を出ようとして、……僕の方へ歩み寄ってきました。
用件は容易に予想出来ます。胃が痛む。
「うん、分かるわ。この年にはそんなことがいっぱいあるの。嫌かもしれないけど……出来たら、友達や先生に相談して」
「…………」
僕はゆっくりと、小さく頷きました。きっと赤面していることでしょう。
「あ、そうだわ。あなた、変な物……いや、人が見えるってことはない?」
来た。
「ないですないですないです絶対!」
必死で否定をします。
だってだって、認めたら僕の何かが壊れる気がするんだもん! 周りに人いっぱいいるし!
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