Pt.1

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「うむ、これは美味い。久々に食べるものがこんな物だとはな」 「……え? え?」  目の前には、僕のお弁当を食べているちょっと格好いいお兄さんが。 「うわっ! 何やってんですか!? しかも誰!?」 「今ごろ気付くとは、なかなかとろい少年だ」  つまみ食いお兄さんは口を袖で拭い、 「私はそれなりに高名な魔術師だ。よろしく」  無表情のまま、偉そうに言い放ちました。  何なのかなこの男は一体。  この学校へ用事で来たのでしょうか。 「おーい……」  思案していたら突然、僕を呼ぶ声が聞こえてきました。僕は声の主を探します。  ……クラスメイトの一人。元気で単純という、一般的な主人公らしい人です。この話の主人公ではありませんが。残念でしたね。  彼は何故だかいつも僕に絡んでくるのです。うざったいったらありゃしない。  ちょうどいい。この人のことを彼に聞いてみましょう。確率なんてゼロと同等でしょうが……まぁ、やらないよりはマシでしょう。
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