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「うむ、これは美味い。久々に食べるものがこんな物だとはな」
「……え? え?」
目の前には、僕のお弁当を食べているちょっと格好いいお兄さんが。
「うわっ! 何やってんですか!? しかも誰!?」
「今ごろ気付くとは、なかなかとろい少年だ」
つまみ食いお兄さんは口を袖で拭い、
「私はそれなりに高名な魔術師だ。よろしく」
無表情のまま、偉そうに言い放ちました。
何なのかなこの男は一体。
この学校へ用事で来たのでしょうか。
「おーい……」
思案していたら突然、僕を呼ぶ声が聞こえてきました。僕は声の主を探します。
……クラスメイトの一人。元気で単純という、一般的な主人公らしい人です。この話の主人公ではありませんが。残念でしたね。
彼は何故だかいつも僕に絡んでくるのです。うざったいったらありゃしない。
ちょうどいい。この人のことを彼に聞いてみましょう。確率なんてゼロと同等でしょうが……まぁ、やらないよりはマシでしょう。
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