Pt.2

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 その後、彼を追い返した僕は、 「あああ、一体どうすれば」  頭を抱えてうなだれます。  相談なんか出来ない。誰にも。絶対に頭のおかしい奴と言われておしまいです。  いや、一人で騒いでいる時点で終わっていますか。そうですね。  ……そうだ、他の可能性は?  さっきは混乱していたので冷静に考えられませんでした。  例えば、幽霊だとしたら? 可能性はある。死んだ人間が幽霊となって誰彼に纏わり付く、なんて話はよくあるのですから。  でも、僕にはこんな感じの知り合いなんていません。 「幽霊ではない。幽霊のような状態だ」 「あーさいですか」  本人がそう言うのなら間違いは無いのでしょう。多分。以前読んだ本に自分が幽霊だということを信じないキャラがいましたが、それは置いておきましょう。  ……じゃあ何なのでしょうね?  そんなことより、何故僕だけに見え、僕だけが付き纏われるのか、ということが問題なのです。他人の状態なんか知ったこっちゃないのですから。  うん、調べる必要がありそうです。いや、調べるべきだ。 「ならば図書室かな?」 「それしかないで……って、どうしてさっきから僕の考えていることが分かるんですか? プライバシーの侵害ですよ?」
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