Pt.2

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「まいったな……」  呆然と本棚を見上げていると、 「ふむ。私の世界のことが書いてある本もあるとはな」 「え?」  いつの間にか、お兄さんは本を読んでいました。  僕は彼の持っている本を奪い取り、そのページを見てみます。  ディジカル……五年くらい前に無くなった国ですね、わかります。ニュースで見ました。  少数ながら、みーんな仲良く暮らしていたとか。幸せそうですね。羨ましい。  ここ『エターヒナ』は魔法使いとか妖精とか精霊とか、そんなのがわらわらいる世界なのです。  昔は天使とかドラゴンもいたそうですが、今はいないとか何とか。  この辺は僕にはよく分かりません。僕以外の誰かに聞いて下さい。そんなこと、知ったこっちゃないのです。  まぁ、ちょっと違いますが、大体一般的なファンタジーの世界ですね。住人がこんなことを言うのもアレですが。  ここ最近(大体十五年くらい前からかな)、早いスペースでいくつかの国が消滅していっているのです。  しかも、それは今でも続いていて……。  戦争とかそういう物騒なものでは無く、経済面で国が消えていくらしいです。
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