始まり

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そこにいたのは..... 「君がキサラ?」 奇妙な目の部分だけを仮面で隠した男だった。 そして男は私のかつての名前を呼んだ。 もちろん、私はこの男の事を知らない。 「何で私の事....知ってるの?」 私は不思議そうに彼を見た。 「君の声がずっと呼んでた。」 「?私は誰かの事を呼んだ覚えはないわ。私には呼べる名前もない.....。」 何だか自分で言っておいて少し悲しくなった。 今までわかっていたつもりだったけど、言葉にだすともっと私の心に痛く染み込んできた。 「それでも、俺には聞こえたよ?だからさ...。」 私は俯いていた顔をまたあげた。
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