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「ここが今日から俺の住む家か…なんだかワクワクするなぁ」
少々見てくれの悪い二階建てアパートの前で青年が一人立っている
男の名は烏丸 龍(カラスマ リュウ)
生まれた時から大都市にある家に住んでいて、何不自由ない生活を送ってきた
しかし、烏丸は馴れ親しんでいた故郷を離れ、わざわざ田舎の方へと半ば家出気味に引っ越してきた
全ては自分を変えるために
「よし!待っていろよ!俺の新生活!」
烏丸は早速、一階の右端の部屋へと向かう
烏丸が受け取ったメールによるとここに大家さんが住んでいる
烏丸は息を飲み込み、ドアをノックした
「はぁ~い~」
中から女の人の声が聞こえてきた
暫く待ってはみたものの、声が聞こえてきただけでドアが開く気配はない
烏丸はもう一度、ドアをノックした
「はぁ~い~」
何も変わらない返事だけが返ってくる
「あのぉ…先日連絡した烏丸ですけどぉ…」
烏丸はドア越しの会話を試みた
すると中から慌しい足音が聞こえてきた
「きゃあ!」
そして悲鳴と共に何やら物凄い音も
「だ、大丈夫ですか!?」
烏丸は慌ててドアノブを回した
鍵はかかっていないようだった
烏丸は勢い良くドアを開けた
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