第三章

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「ご迷惑おかけしました。」 「いいんだよ。それよりもう大丈夫なのかい?」 「はい。無事に赤ちゃんも生まれてくれて。今は笑夢がいるから、元気になれるんです。」 「そうか。じゃあ、さっそくだけどお願いするよ。」 「はい。」 久しぶりの仕事はすごく楽しく感じた。 あっという間に保育所に迎えに行く時間になっていた。 「社長、すみません。息子を保育所に預けているので…」 「かまわないよ。」 「ありがとうございます。お先に失礼します。」 恵まれた職場で、私は幸せだった。 守の死が嘘のように、満ち足りた気持ちだった。
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