プロローグ

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「…ゼネテス様。私はお母様に似てきたかしら?」  その問いに、伯母上を思い出していたゼネテスは動揺を隠しながら答えた。 「親子だから似てるさ。だが、姫さんは姫さんだ」  その返答にティアナは「フフフッ」とまだ子供っぽさを残す悪戯っ子の笑みを返した。 「私は、お母様が嫌いでした。憎んでいるといっても過言じゃなかったと思いますわ」  クルリとゼネテスに背を向け、墓前に宣言するティアナ。だが、その表情は柔らかく穏やかなものだった。 「…お母様。 私はお母様の手のひらで踊らされていると思っていましたわ…でも、違いました」
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