4人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ゼネテス様。私はお母様に似てきたかしら?」
その問いに、伯母上を思い出していたゼネテスは動揺を隠しながら答えた。
「親子だから似てるさ。だが、姫さんは姫さんだ」
その返答にティアナは「フフフッ」とまだ子供っぽさを残す悪戯っ子の笑みを返した。
「私は、お母様が嫌いでした。憎んでいるといっても過言じゃなかったと思いますわ」
クルリとゼネテスに背を向け、墓前に宣言するティアナ。だが、その表情は柔らかく穏やかなものだった。
「…お母様。
私はお母様の手のひらで踊らされていると思っていましたわ…でも、違いました」
最初のコメントを投稿しよう!