1337人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ……。」
シドはケンの言葉を聞いて溜め息をついた。
未来の国の心配をしてしまいそうだった。
「さて、勉強を始めますかな。」
シドはそう言うと無理やりケンを勉強机に座らせた。
「これは………になり、こうなるので……という風になります。」
シドは延々ケンに勉強を教えた。
その間クレメンス兄妹は邪魔になるといけないのでケンの部屋から出て廊下で話していた。
「王子も困ったものだねぇ。
勉強が嫌いなんてさ。」
「兄上もそうじゃないですか。
よくそれでシド様の部隊の部隊長なんてなれましたね?」
ウェンリーはヴィンセントに尋ねた。
たしかに気になるところである。
「それは俺が珍しく必死に頑張ったからだ。」
ヴィンセントは胸を張って言う。
「自分で珍しくと言わないでください。
全く、兄上って人は……。」
「たしかにそうだな。」
ウェンリーがそう言うと廊下の向こうからそう言った男がいた。
20代後半と言ったところだろうか、長髪の銀色の髪をした男だった。
「あっ!!こんにちは!!
ヴォルス将軍!!」
ヴォルス将軍……この男はバハムート王国軍副司令官である。
「こんにちはウェンリー。
王子はおられるか?」
「はい。いらっしゃいます。
中へどうぞ。」
ウェンリーはそう言い、ケンの部屋のドアを開ける。
そこにはまだ勉強しているケンと教えているシドがいた。
「総司令官、失礼ですが少し王子に言伝がありますので中断していただいてもよろしいでしょうか?」
「ヴォルスか……よいぞ。」
「なに?ヴォルス。」
ケンは振り向いてヴォルスに聞いた。
「国王が先ほどあなた様をお呼びになりました。
ですので玉座の間へお越しくださいとのことです。」
「わかった。
シド、悪いんだけど行ってくるね。」
「えぇ、行ってらっしゃいませ。」
シドは許可しケンは部屋から出て行き、玉座の間へ向った。
最初のコメントを投稿しよう!