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玉座の間へ入ると30代後半の男が玉座に座っていた。
その男は青い髪をして黄色の瞳をしている。
彼こそはケンの父親であり、現バハムート王国国王のゼロ=バハムートである。
ちなみに何故親子なのに髪の色や瞳の色が違うかというと実際はわからない。
バハムートの血が流れているためなのかそうなっているのである。
それはケンとゼロだけでなく、歴代の王たちも親とは違う色をしていたらしい。
ここで付け足すと、なぜか歴代の王たちも含め、赤や青の瞳の者がいないらしい。
これもバハムート一族の謎である。
ゼロはケンが中に入ってきたことを確認するとケンに近くへ寄るよう手招きをした。
ケンはそれに従い、ゼロに近づく。
「……いや、近いって。」
ゼロは何故そんなこと言うのかというと、ケンはほぼ零距離まで近づいてきたためである。
「もうすこし離れろ。」
ゼロがそう言うとケンは今度はかなり離れた。
「……遠すぎるぞ。」
ゼロは今度は近づくように言った。
そして想像のとおり、またかなり近づいた。
「もういい!!お前は自分の父をからかうな!!
さっさとそこへ立て!!」
ゼロはついにキレてケンを指をさしたところに移動させる。
ケンはというとニヤリと笑っていた。
ゼロは居住まいを正すとケンに言った。
「お前を呼びだしたのはだな。お前に行ってほしいところがあるのだ。」
「それはどこなんですか?」
ケンはうれしそうに聞いた。
城の外へ出られるからだ。
「シリウス大陸というところだ。」
「シリウス大陸?ってどこですか?
聞いたことないんですけど……。」
ケンは首をかしげて聞いた。
「お前が知らないのも無理はない、ワシとて行ったことがないのだからな。」
「そんなところに『かわいい』息子を行かせるつもりなんですか?」
ケンは皮肉をこめてゼロに尋ねた。
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