~若き竜の剣士~

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「あぁ、そうだ。そこへ行ってきて欲しい。」 ゼロはその皮肉を全く無視して言った。 「しかしどこにあるんですか? シリウス大陸って……。」 「この世界にはないぞ。」 ゼロは淡々と言った。 「……おい。 何故ワシの額に手を当てる?」 ゼロは怒って言った。 なぜならゼロの言う通りケンがゼロの額に手を当てているためである。 「いやぁ、ついにボケたのかと。」 「ワシはまだ30代だ!!ボケなんか始まるか!!」 ゼロはケンの手を振り払い怒って言った。 「じゃあボケじゃなくてなんなんですか? 催眠術でもかかったのですか? それとも死にそうなんですか?」 「明らかにおかしいだろ!? 特に後半部分!!ワシに死んでほしいとでも言うのか!?」 「はい!!」 ケンは満面の笑顔で最低な事を言った。 「もういい!!とにかく行ってこい!!」 ゼロは完璧にキレながら自分の主張を言った。 「でもどうやって行くんですか? 父上の『馬鹿』が言う違う世界の大陸なんて……。」 「……『馬鹿』という言葉が気になるがこのままでは話が進まん。 とりあえずついて来い。」 ゼロはそう言うと玉座から立って廊下へと出た。 ケンもそれについて行った。 しばらく歩いて……。 「父上。こんなところありましたっけ?」 ケンはゼロに尋ねた。 何故かというと王子であるケンですら来たことないところだからである。 「ここは一部の者しか知らぬところだ。 お前が知らぬのも無理はない。」 ゼロは歩きながら言った。 「さて、もうすぐ着くぞ。」 ゼロがそう言うと一つの扉があった。 ゼロはそこまで行くと扉を開けて中へ入って行った。 ケンもそれについて行き、中へ入る。 「……なんですか?ここは?」 ケンは不思議に思った。 この部屋の中を見て……。
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