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そうして、僕はとうとう邪竜を
胸に一匹飼うことにしたのだった。
次第に大きくなった邪竜に
僕はすっぽりと包まれてその体内から見ている。
あらぶる邪竜、憤るかつての姫巫女。
僕だけはいつまでもそのままである。
姉を信じたかった。
だが、邪竜は大きく口を開けて笑う。
「これが人間、これこそが人間」
僕はほんの少し悲しく笑って、
『転送』
を押した。
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