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 思えば、相関図を作ろうと考えていた時期もありました。そうなると、私は浮いてしまいますけど。どうやら、私の格好を好ましく思わない人が多いみたいです。ゴスロリ服は、私のお気に入り、なのに。  まぁ、別にいいですけど。私は、クラスの人たちに気に入られたいという願望は、ないですし。 「ん……」  おかしい、です。調べてみたところ、芳しくない結果ばかりが連なります。  金持ちの息子と、大人しい女の子、宮沼と清水。関係性がいまひとつ分かりません。仲がいいというわけでもなく、いじめっ子いじめられっ子の関係でもなく、ただ単に同じクラスの関係でしかない。どう調べても、そう出てきます。私のクラスはもともと男子と女子の関係が、潤ったものではありません。ですか ら、特別な男女関係は把握しきれていますし、そういった情報が漏れない訳がありません。  しかも、この二人がメールを始めたのは最近になってからみたいですね。その上、最初からメールが高圧的な態度で、一方的なメールが多い……です。宮沼はそういった態度が女子に不評ですから、急に清水と仲良くなったり、そんなことはないはずです。清水は大人しく、引っ込み思案な子です。本来、男子との メールすらしないような子……ですけど、不思議です。律儀に宮沼から送られてくるメールにきっちり返信をします。 今まで、私はなぜ気付かなかったのでしょう。……これは、知りたいことです。十分。いえ、知らなければならないこと。興味がふくらんでいきます。  「……です」  さらにブラインドタッチ速度を上げて、一気にそれらしい情報を収集していきます。宮沼と清水について。クラスメイトのことを掘り下げていくということは、日常茶飯事です。気になってしまうのです。どうして、このクラスメイトが不思議な言動を取るのか、そこには理由、もしくは原因が本人の中に埋まって いるのです。だから、ついつい調べてしまうのです。この二人は……調べたことはないので、初めてということになりますが。  どうでもいいことかもしれません。でも、気になったことは、全て知らなければならない、それが私です。
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