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 それでも、二人の話はヒートアップ。宮沼は譲らない、清水も泣きながらも引かない。永遠と続くお願いと拒否の連鎖。このままでは休み時間も終わってしまう、と思ったところで、宮沼が、 「あの写真をネットにばらまいていいのかよ?」  そう、言いきった。写真。脅しの種は写真だということが判明。恐らく、清水が他の人には見せられないような、写真、です。  その言葉と同時に、清水のやめたいおいうお願いの声が無くなり、嗚咽しか聞こえてこなくなりました。ただ、宮沼はイラついたのか、さらに言葉を紡いでいく。 「お前さ、前俺の携帯弄って画像消そうとしただろ。言っとくけど、あの画像もうパソコンにバックアップ取ったから何したって、無駄だからね。あ、バックアップとか分かる。分らないよなぁ」  馬鹿にするような声で、嘲笑する宮沼。  その声が、あまりに、酷い。私は、もうやだ、という清水の言葉が心の中に甦り、いつの間にか手提げに入れていたノートパソコンを取り出していた。いつでもどこでも、多くのことに対応ができるようにノートパソコンは常備、です。  私はノートパソコンを起動させて、ネットに接続。そのまま、一気にネットの深部に入り込んで、宮沼のことを検索、検索、検索! ありとあらゆる方法で宮沼のパソコンの所在を調べていく。宮沼のパソコンは当然、宮沼の家にある――よって、そこから、さらにネット回線など、諸々を検索、捜査、探索、して いく。 「だから、とにかくお前は俺の言うことを聞けって」  発見。突破。突破。探索。探索。警告。無視。無視。警告。セキュリティソフト駆除。突破。  そこまで、操作したところで、私は一枚の写真を発見した。  私はその写真を見た時、大きく息を吐いてから、すぐさま写真を消去、そのまま宮沼のパソコンをクラックスタート。  写真は、清水の盗撮写真でした。清水の裸体。プールの時の、ですね。あまりに、くだらない、くだらないです、と思いながらも、けじめは着けようと決意。そうですね、ここまで来てしまったら、後には引けないのです。  清水が泣きながら、去っていくのを確認した後、私は宮沼のもとへと歩いていきます。宮沼はすぐに私に気付き、不審がった表情を向けてきます。それもそうですね。
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