聞き覚えがあんだよな 弐

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目線を窓の外に戻すと、意識だけをその男に向けた。 男は後ろへ真っすぐにバスを縦断してくると、俺の隣に座った。 思わず緊張して体が固くなったのが自分でもわかる。 とりあえず、そのまま平静で無関心を装った。 男は腰を落ち着かせると、足を組み、懐の内ポケットから文庫本を取り出して読み始めた。
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