聞き覚えがあんだよな 弐

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いくつか前の座席に座っている男の子が、こちらをじっと見つめているのに気付いた。 体勢を変えず、窺ように男を見ると、静かに小説を読んでいる。 わずかに中身が見える。 細かい文字の英文が並んでいて、目がくらみそうになる気がした。 再び前方に目を向けると、男の子は隣の母親に注意されて、前を向き直っている。 俺はそのまま外へ目線を向けた。
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