第14幕

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 そして、どっと疲れたと思いながら紅の家に着いたら、修羅場だった。 「どうして母さんまで行かなきゃいけないんだ!」 「だからね、茶希…」  珍しく紅は押されている。茶希は本気で怒っているようだ。  丁度いい。 「紅。鋼に行くのは止めたらどうだ?」  茶希を援護したつもりだったが、この一言が、紅に火をつけてしまった。 「誰の為だと思っているの!貴方が心配だからでしょう!もともと私が貴方を彩に招かなければ、こんなことにならずに済んだかもしれないのだから、私自身にも責任があります!絶対、行くから!!」  珍しく感情的な紅に、茶希は驚いていた。しかし、少し考えた素振りを見せるととんでもない発言をした。 「母さん、絶対に行く気なんだ。じゃ、僕も行くから」 「え?」 「は?」  茶希は息を吸い込むと、さっきより大きな声で言った。 「僕も行く」 「「え――――!?」」  俺と紅は盛大にハモりながら絶叫した。  その後、2人がかりで説得したが、茶希の意思は固く、成功しなかった。  俺は正直、親子だからといって、頑固まで似ないで欲しいと思った。
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