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そして、どっと疲れたと思いながら紅の家に着いたら、修羅場だった。
「どうして母さんまで行かなきゃいけないんだ!」
「だからね、茶希…」
珍しく紅は押されている。茶希は本気で怒っているようだ。
丁度いい。
「紅。鋼に行くのは止めたらどうだ?」
茶希を援護したつもりだったが、この一言が、紅に火をつけてしまった。
「誰の為だと思っているの!貴方が心配だからでしょう!もともと私が貴方を彩に招かなければ、こんなことにならずに済んだかもしれないのだから、私自身にも責任があります!絶対、行くから!!」
珍しく感情的な紅に、茶希は驚いていた。しかし、少し考えた素振りを見せるととんでもない発言をした。
「母さん、絶対に行く気なんだ。じゃ、僕も行くから」
「え?」
「は?」
茶希は息を吸い込むと、さっきより大きな声で言った。
「僕も行く」
「「え――――!?」」
俺と紅は盛大にハモりながら絶叫した。
その後、2人がかりで説得したが、茶希の意思は固く、成功しなかった。
俺は正直、親子だからといって、頑固まで似ないで欲しいと思った。
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