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この国は、精霊と共に生きている。喩えではなく、現実に。
彼らは、人間に求めている。それは何なのかは解らないが、相性のようなものだと考えている。
精霊と契約した者を、契約者(リンカー)と呼ぶ。契約者は体のどこかに刻印を持っている。
私はけやきの精霊と火の精霊の契約者で、胸にバラのような紅い刻印と、左手首に蔦が絡み付いたような刻印。
朱里は風の精霊と契約しており、左の鎖骨に羽のような刻印。
茶希は地の精霊と契約しており、左手の甲に灰色の石のような刻印。
この国の民全てが契約者という訳ではないが、他国と比べると明らかに多い。
契約者は特性を活かした職に就くことが多い。
例えば、炎と風の属性の契約者は砂漠を渡って行商をしたり、水属性なら、高速船を動かしたり。
朱里はこれでも警備隊長。茶希は鉱物専門の学者をしている。
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